チンさんとの旅 続編 6
10-29,2012
今日はカナちゃんが入ったメンバーで Power Spotの 初練習。
皆さん期待して下さいね。
東京はまだ温かくていいですね。ペンシルベニアはもう紅葉のピークも終って冬の気配がしています。
出発前は落葉掃き大会をやっていました。
お散歩のすすめ
僕が散歩ばかりやっていて変なやつだと思っている人もいるでしょう。僕は外に出て歩くと陽や風にあたって頭がスッキリして気分がすごく良くなるんです。旅の時などもちろん観光気分でいろいろ見て見たいという好奇心もあるのですが、それ以上に、演奏する前の自分の心身を整えるという事が一つの目的なんです。
人はミュージシャンなんて気楽な仕事で良いなと思っていると思います。もちろんそういうところは確かにありますよ。でも演奏する事にはプレッシャーもあるんです。お客さんはお金を払って期待して僕達の演奏を聞きに来てくれてる訳ですから、疲れているとか調子が悪いとかそんな事は言ってられないし、どんな状況でも十分自分を発揮出来なければダメなんです。
自分を管理出来ている事がとても大切なんですね。
考えてみると僕はいつも音楽をやる事が大変だった。学生からいきなりサダオさんのバンドに引っぱられてプロ入り、それからもSonny Rollinsとかプレッシャーとハイテンションの中で音楽をやるのが普通になってしまっていました。でも本当はそんな状態で演奏するのは嫌なんです。
最近はあまり演奏活動をしていなかったその事で演奏する事にプレッシャーを感じていました。
しかし人間のやる事なんてわからない事ばかり。自分は最悪の状態でボロボロなのに終ってみると自分でも驚いてしまう様な良い演奏をしてしまったり。逆に今日はイイぞなんて思っていても冴えない演奏になってしまったり。そのどうなるかわからない所に不安を感じてしまう事もあるんです。
ミュージシャンは皆各々ステージに行くまでの自分をどの様にコントロールするかという自分なりのやり方を持っているんだと思います。そこでお酒やドラッグに走るなんて人も出て来る訳ですね。
最近僕が到達した心境は何時もの普通のそのままの状態でステージに乗れたら良いやという事です。平常心ですね。考えてみればそんなのは当たり前の事なんですけどね。やっとそんな風に考えられる様になりました。
全ては自分から出てくる問題であって、禅問答になってしまいますが、いい演奏をしよう、いいところを見せよう、自分を最高な状態にもっていかなければいけない、なんて勝手に自分で思ってしまう自欲があるから逆に構えてしまって必要もない力が入ったり緊張してしまったりするわけですね。
僕にはその平常心を得るには散歩が一番良いという答えが出たのです。最初はいろんな事を考えていても、外の空気に触れて歩いていると次々と流れて来る周りの景色や様子に気を取られて知らずと頭の中が空っぽになって行くんです。もちろん適度の運度だから演奏前の身体のウォームアップにもなるしね。これはあくまでも僕の理想ですが、そんな落ち着いた何の意図も先入観も無い真っ新な気持で毎回音が出せたらいいなと思ってるんです。
そんな訳で今日も一人とぼとぼ歩いています。
チンさんとの旅 続編 6 ※昨年のツアーについての続き
さていよいよ10月に突入、長かった旅も後半に入りラストスパートです。
10月1日 伊豆松崎 J-Square
又チンさんの車で出発。今日は気持がワクワクする特別な日だったんです。
僕にとって西伊豆は思い出がいっぱい詰まった特別な場所。僕のPower Spotなんです。高校時代夏休みになると仲間とよくキャンプに行きました。伊豆に行く時は松崎のちょっと先にある石部と言う小さな町の海岸だったんです。その頃は今とは大違いで舗装もしていない一車線ぐらいの道しか無くて、沼津からバスで松崎まで。そこから先は歩いて行ったんです。その時に石部に住んでいた同じ年の山本俊一君(俊ちゃん)と会って、いい友達になったんです。彼とはしばらく連絡が途絶えてしまっていたのですがこの数年又メールで交信する様になりました。数年前下田にピアノの菅野さんに会いに行った時に松崎まで俊ちゃんに会いに行きました。彼は松崎に住んでいて中華料理店をやっているんです。
途中からチンさんに代わって僕が運転。田子や堂ヶ島を通って松崎へ。懐かしい!
J-Squareは主催者藤井さん御夫婦が経営する塾なのです。そのスペースを使って時々ライブの演奏もしているのですね。チンさんはもう何度も来ているので顔なじみなのです。しかし松崎に演奏しに来るなんて夢にも思わなかったよ。
見ていると欲しくなってしまってJ-Squareの駐車場の柿の木から柿を失敬。
下田から友達が来てくれて、もちろん俊ちゃんも。最後にはチンさんがピアノを弾いたり今夜も楽しかった。又打ち上げで心からのもてなし。藤井さん始めみんな本当にいい人ばかり。夜も更けてみんなでゾロゾロ松崎の町を歩いて海岸沿いのホテルまで送ってもらった事昨日の事の様によく憶えています。
2日 伊豆高原 Butter Note
朝は俊ちゃんのお店に行って朝食。別れ惜しかったよ。
一路内陸を通って東伊豆へ。伊豆高原の別荘地の中にあるButter Noteは正に別荘を改築してライブも出来る空間を持つ素敵でお洒落なレストランです。オーナーの鈴木さんが自分でも音楽を演る音楽愛好家なのです。
タモリもこの辺りに別荘を持っているんですね。時間があったので歩き回って見ました。いいところですよ。
泊まったホテルのエクシブ伊豆からは目の前に大島が見えました。
5日 京都 Rug
新幹線で京都へ。今日から関西方面の旅です。京都は少し雨模様、ベースがあるので駅には店の人が迎えに来てくれていました。
今日は大阪からプレゼントを持って友達が来てくれたり、2年前にBill Maysと行った奈良の方のお店ナーダムに来ていたという人達もいて、今夜も温かい雰囲気で迎えてもらい楽しい夜になりました。
6日 金沢 もっきりや
タクシーで京都駅へ。新幹線ではないので入口が何時もとは違うところ。プラットホームの僕達の乗車する所に楽器と荷物を置いて一人ずつお弁当を買いに行くんです。僕は今朝は牛肉弁当。サンダーバードに乗って右側に琵琶湖を見ながら金沢へ。この電車には2009年にチンさんと金沢に行った時に乗っているんです。車内でお弁当や飲み物のカートを引っ張っている売り子さんがその時と同じ娘だったのに気がつく。ベースは大きいので置き場所を決めるのが一苦労。車掌さんが親切な人だったので良かった。
もっきりやにはこの春海老原さんと始めて行っています。これもチンさんと行った時に知り合った松田さんの紹介だったんです。小さなお店ですがサダオさんも来ているんですよ。
今夜も演奏の後は松田さんのお店Jo-Houseへ。おいしい食事に楽しい会話。
お店のピアノの横の壁に譜面が飾ってあります。僕の記憶が正しければピアニストJunior Manceとかギターの井上智君が作曲したこのお店が題名になっている曲の譜面なんです。Bill Maysがピアノに座っていきなり片っ端からそれらの曲をプレイしてしまったのを思い出していました。
松田さん、平賀さん、和田先生、今夜も楽しい時をありがとうございました。
7日 岡山 ルネスホール
昨日と同じ電車に乗って大阪に逆戻りです。車掌さんが同じ人だったので勝手が分かっているので楽だった。今朝はカニ飯弁当。大阪で新幹線に乗換えて岡山へ。
今日の会場ルネスホールはもと銀行だった建物なのです。高い天井の空間が音楽を聞くのに丁度良い効果になるのですが、響き過ぎてワンワンになってしまう事もあるのでサウンドの人がステージの背後に衝立てを作ったりいろいろ試行錯誤しているそうなんです。音は良かったですよ。
広い所なのに今日はマイク無し、チンさんもアコースティックで演奏。
僕達の演奏の前に地元の5名のベーシストからなるベースアンサンブルのグループの演奏もあったんですよ。面白かった。
8日 芦屋 Left Alone
朝起きてからチェックアウトするまでに時間があったので近くの岡山城に行ってみる。ちょうどお祭りで川沿いに出店も沢山出ているし人でいっぱい。お城の中に入るとステージが作ってあって女の子のグループがダンスを踊っていたり盛り上がっていました。日本は平和だなぁ〜。
ホテルに戻ってチェックアウト。この週末は岡山市でジャズフェスをやっているので他のバンドのミュージシャンもこのホテルに沢山泊まっているんです。ロビーでチンさんと立ち話をしていた若者がドラムの石若駿君だったのです。数年前に倶知安のジャズフェスに出た時に彼も出演していたのです。アルトサックスの寺久保エレナさんも一緒で、二人とも中学生だった。彼もすっかり大人になっていてビックリ。TOKUのバンドのメンバーで来ていたんです。ミュージシャンが続々ホテルから出て来るのでワイワイやってから僕達は一路芦屋へ。
Left AloneはOne of my favorite place to playなんです。オーナーのサイチャンが40年前に僕のニューヨークのアパートに来てるんですよ。
ミュージシャンは演奏する場所の事をとやかく言える立場ではないのですが、そのお店の持つ雰囲気、働いている人の態度とかそのちょっとした心遣いでリラックス出来たり気分が良くなったりする事ってあるんですよ。チンさんはその辺のフィーリングをとても大切にしているのでこのツアーで行くところ行くところ全て気分が良くて感じの良い人の場所ばかりです。
Left Aloneは正にそんな意味でいつも来るのが楽しみなお店。サイチャンご夫婦、リョウ君が素晴らしいし、お店の出す中華料理が又メチャ美味。
今夜も関西のいつも来てくれるおなじみの人達が集まってくれて始まる前から和気あいあいで温かく迎えていただきました。
この後は 前に書いた10月11日からの東北の旅 が始まります。
それでは又、
10月21日 2012年
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