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チンさんとの旅 続編 6

10-29,2012

もう日本に来ていますよ。
今日はカナちゃんが入ったメンバーで Power Spotの 初練習。
皆さん期待して下さいね。

東京はまだ温かくていいですね。ペンシルベニアはもう紅葉のピークも終って冬の気配がしています。
出発前は落葉掃き大会をやっていました。
落ち葉掃き
落葉掃き

枯れ葉
枯葉


お散歩のすすめ

僕が散歩ばかりやっていて変なやつだと思っている人もいるでしょう。僕は外に出て歩くと陽や風にあたって頭がスッキリして気分がすごく良くなるんです。旅の時などもちろん観光気分でいろいろ見て見たいという好奇心もあるのですが、それ以上に、演奏する前の自分の心身を整えるという事が一つの目的なんです。

人はミュージシャンなんて気楽な仕事で良いなと思っていると思います。もちろんそういうところは確かにありますよ。でも演奏する事にはプレッシャーもあるんです。お客さんはお金を払って期待して僕達の演奏を聞きに来てくれてる訳ですから、疲れているとか調子が悪いとかそんな事は言ってられないし、どんな状況でも十分自分を発揮出来なければダメなんです。
自分を管理出来ている事がとても大切なんですね。

考えてみると僕はいつも音楽をやる事が大変だった。学生からいきなりサダオさんのバンドに引っぱられてプロ入り、それからもSonny Rollinsとかプレッシャーとハイテンションの中で音楽をやるのが普通になってしまっていました。でも本当はそんな状態で演奏するのは嫌なんです。
最近はあまり演奏活動をしていなかったその事で演奏する事にプレッシャーを感じていました。

しかし人間のやる事なんてわからない事ばかり。自分は最悪の状態でボロボロなのに終ってみると自分でも驚いてしまう様な良い演奏をしてしまったり。逆に今日はイイぞなんて思っていても冴えない演奏になってしまったり。そのどうなるかわからない所に不安を感じてしまう事もあるんです。

ミュージシャンは皆各々ステージに行くまでの自分をどの様にコントロールするかという自分なりのやり方を持っているんだと思います。そこでお酒やドラッグに走るなんて人も出て来る訳ですね。

最近僕が到達した心境は何時もの普通のそのままの状態でステージに乗れたら良いやという事です。平常心ですね。考えてみればそんなのは当たり前の事なんですけどね。やっとそんな風に考えられる様になりました。
全ては自分から出てくる問題であって、禅問答になってしまいますが、いい演奏をしよう、いいところを見せよう、自分を最高な状態にもっていかなければいけない、なんて勝手に自分で思ってしまう自欲があるから逆に構えてしまって必要もない力が入ったり緊張してしまったりするわけですね。

僕にはその平常心を得るには散歩が一番良いという答えが出たのです。最初はいろんな事を考えていても、外の空気に触れて歩いていると次々と流れて来る周りの景色や様子に気を取られて知らずと頭の中が空っぽになって行くんです。もちろん適度の運度だから演奏前の身体のウォームアップにもなるしね。これはあくまでも僕の理想ですが、そんな落ち着いた何の意図も先入観も無い真っ新な気持で毎回音が出せたらいいなと思ってるんです。
そんな訳で今日も一人とぼとぼ歩いています。




チンさんとの旅 続編 6 ※昨年のツアーについての続き


さていよいよ10月に突入、長かった旅も後半に入りラストスパートです。

10月1日 伊豆松崎 J-Square
又チンさんの車で出発。今日は気持がワクワクする特別な日だったんです。
僕にとって西伊豆は思い出がいっぱい詰まった特別な場所。僕のPower Spotなんです。高校時代夏休みになると仲間とよくキャンプに行きました。伊豆に行く時は松崎のちょっと先にある石部と言う小さな町の海岸だったんです。その頃は今とは大違いで舗装もしていない一車線ぐらいの道しか無くて、沼津からバスで松崎まで。そこから先は歩いて行ったんです。その時に石部に住んでいた同じ年の山本俊一君(俊ちゃん)と会って、いい友達になったんです。彼とはしばらく連絡が途絶えてしまっていたのですがこの数年又メールで交信する様になりました。数年前下田にピアノの菅野さんに会いに行った時に松崎まで俊ちゃんに会いに行きました。彼は松崎に住んでいて中華料理店をやっているんです。

途中からチンさんに代わって僕が運転。田子や堂ヶ島を通って松崎へ。懐かしい!

J-Squareは主催者藤井さん御夫婦が経営する塾なのです。そのスペースを使って時々ライブの演奏もしているのですね。チンさんはもう何度も来ているので顔なじみなのです。しかし松崎に演奏しに来るなんて夢にも思わなかったよ。

見ていると欲しくなってしまってJ-Squareの駐車場の柿の木から柿を失敬。

下田から友達が来てくれて、もちろん俊ちゃんも。最後にはチンさんがピアノを弾いたり今夜も楽しかった。又打ち上げで心からのもてなし。藤井さん始めみんな本当にいい人ばかり。夜も更けてみんなでゾロゾロ松崎の町を歩いて海岸沿いのホテルまで送ってもらった事昨日の事の様によく憶えています。

2日 伊豆高原 Butter Note
朝は俊ちゃんのお店に行って朝食。別れ惜しかったよ。
一路内陸を通って東伊豆へ。伊豆高原の別荘地の中にあるButter Noteは正に別荘を改築してライブも出来る空間を持つ素敵でお洒落なレストランです。オーナーの鈴木さんが自分でも音楽を演る音楽愛好家なのです。
タモリもこの辺りに別荘を持っているんですね。時間があったので歩き回って見ました。いいところですよ。
泊まったホテルのエクシブ伊豆からは目の前に大島が見えました。

5日 京都 Rug
新幹線で京都へ。今日から関西方面の旅です。京都は少し雨模様、ベースがあるので駅には店の人が迎えに来てくれていました。
今日は大阪からプレゼントを持って友達が来てくれたり、2年前にBill Maysと行った奈良の方のお店ナーダムに来ていたという人達もいて、今夜も温かい雰囲気で迎えてもらい楽しい夜になりました。

6日 金沢 もっきりや
タクシーで京都駅へ。新幹線ではないので入口が何時もとは違うところ。プラットホームの僕達の乗車する所に楽器と荷物を置いて一人ずつお弁当を買いに行くんです。僕は今朝は牛肉弁当。サンダーバードに乗って右側に琵琶湖を見ながら金沢へ。この電車には2009年にチンさんと金沢に行った時に乗っているんです。車内でお弁当や飲み物のカートを引っ張っている売り子さんがその時と同じ娘だったのに気がつく。ベースは大きいので置き場所を決めるのが一苦労。車掌さんが親切な人だったので良かった。

もっきりやにはこの春海老原さんと始めて行っています。これもチンさんと行った時に知り合った松田さんの紹介だったんです。小さなお店ですがサダオさんも来ているんですよ。
今夜も演奏の後は松田さんのお店Jo-Houseへ。おいしい食事に楽しい会話。
お店のピアノの横の壁に譜面が飾ってあります。僕の記憶が正しければピアニストJunior Manceとかギターの井上智君が作曲したこのお店が題名になっている曲の譜面なんです。Bill Maysがピアノに座っていきなり片っ端からそれらの曲をプレイしてしまったのを思い出していました。
松田さん、平賀さん、和田先生、今夜も楽しい時をありがとうございました。

7日 岡山 ルネスホール
昨日と同じ電車に乗って大阪に逆戻りです。車掌さんが同じ人だったので勝手が分かっているので楽だった。今朝はカニ飯弁当。大阪で新幹線に乗換えて岡山へ。
今日の会場ルネスホールはもと銀行だった建物なのです。高い天井の空間が音楽を聞くのに丁度良い効果になるのですが、響き過ぎてワンワンになってしまう事もあるのでサウンドの人がステージの背後に衝立てを作ったりいろいろ試行錯誤しているそうなんです。音は良かったですよ。
広い所なのに今日はマイク無し、チンさんもアコースティックで演奏。
僕達の演奏の前に地元の5名のベーシストからなるベースアンサンブルのグループの演奏もあったんですよ。面白かった。

8日 芦屋 Left Alone
朝起きてからチェックアウトするまでに時間があったので近くの岡山城に行ってみる。ちょうどお祭りで川沿いに出店も沢山出ているし人でいっぱい。お城の中に入るとステージが作ってあって女の子のグループがダンスを踊っていたり盛り上がっていました。日本は平和だなぁ〜。

ホテルに戻ってチェックアウト。この週末は岡山市でジャズフェスをやっているので他のバンドのミュージシャンもこのホテルに沢山泊まっているんです。ロビーでチンさんと立ち話をしていた若者がドラムの石若駿君だったのです。数年前に倶知安のジャズフェスに出た時に彼も出演していたのです。アルトサックスの寺久保エレナさんも一緒で、二人とも中学生だった。彼もすっかり大人になっていてビックリ。TOKUのバンドのメンバーで来ていたんです。ミュージシャンが続々ホテルから出て来るのでワイワイやってから僕達は一路芦屋へ。

Left AloneはOne of my favorite place to playなんです。オーナーのサイチャンが40年前に僕のニューヨークのアパートに来てるんですよ。
ミュージシャンは演奏する場所の事をとやかく言える立場ではないのですが、そのお店の持つ雰囲気、働いている人の態度とかそのちょっとした心遣いでリラックス出来たり気分が良くなったりする事ってあるんですよ。チンさんはその辺のフィーリングをとても大切にしているのでこのツアーで行くところ行くところ全て気分が良くて感じの良い人の場所ばかりです。
Left Aloneは正にそんな意味でいつも来るのが楽しみなお店。サイチャンご夫婦、リョウ君が素晴らしいし、お店の出す中華料理が又メチャ美味。

今夜も関西のいつも来てくれるおなじみの人達が集まってくれて始まる前から和気あいあいで温かく迎えていただきました。



この後は 前に書いた10月11日からの東北の旅 が始まります。

それでは又、

10月21日 2012年
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チンさんとの旅 続編5

10-19,2012

岩波先生

岩浪洋三先生がお亡くなりになりました。僕達のジェネレーションのジャズ関係者にとって岩浪さんやスイングジャーナルが一つの時代だったんです。昨年の8月なら春子さんの仕事で六本木の All Of Me クラブでご一緒したのが最後になってしまいました。寂しいですね。時代がどんどん変わって行くのを感じます。


9月はあっという間に通過してもうすっかり秋ですね。日本に行く日も近づいているので何かと忙しい毎日です。
今年はベリー類の大豊作の年だったので9月に入っても野生のラズベリーやブラックベリーを採って食べていました。
9月は気候が良かったので家のペンキ塗りもずいぶんやったし、今年の夏はこちらに居なかった昨年の夏のギャップを随分取り戻す事が出来たよ。
秘密の場所にある野生のぶどうも収穫。

20121019grape0469.jpg
野生のぶどう (クリックで拡大表示)

それでは、チンさんとの旅 続編 5

9月5日
今日は雑誌Jazz Japanのインタビューと表紙撮影が午後1時から新宿のクラブJでと決まっていたのですがうっかり忘れてしまっていて、友達からの電話で慌ててすっ飛んで行きました。皆にご迷惑をおかけしてしまって嫌でした。
その昔はマスオタイムなんて言われて時間にルースで平気だったのですが、今は時間に遅れるなんてとんでもない、そんな事をする人も大嫌いです。
人は変わるものですね。自分で自分の変貌ぶりにあきれています。

6日
六本木の教会でCecil Monroeのお別れ会。彼をしのんで多くのミュージシャンが集まりとても心温まる集いだった。いろんな組合わせで演奏もあり最後はゴスペルで締める。何時十年ぶりだったんだろうギターの杉本喜代志さんにも再会。
夜は銀座のSwing Cityで海老原淳子さんのバンド。彼女のコンサート前の唯一のリハーサルも兼ねた仕事だったので十分に気合も入る。

8日 甲府 コットンクラブ
本当だったら今日から3日間の旅だったのですが真ん中の日の松本がキャンセルになってしまったので日帰りの仕事が続く事になりました。
チンさんのドライブで中央道を走り甲府へ。コットンクラブは始めてのお店。天井が高くて広々とした良いスペースのお店です。
サウンドチェックの後、少し時間があったので又ふらっと散歩へ。甲府城があったんです。中に入って見晴らしのよいところから夕方の甲府の街を眺め日本を満喫。
このお店のある通りには他にもライブをやっている店があるので休憩時間に覗きに行きました。
今日も地元のギタリストのイチノセさんが自分のポリトーンのギターアンプを使わせてくれたんです。ありがとうございました。

10日 小布施 Bud
又同じ高速を走ってチンさんのドライブで小布施へ。Budは2年前にチンさんに連れて来てもらっています。小布施という町自体がお洒落なのですがこのお店も古くからの建物を使ってライブハウスにして、日本的でお洒落でとってもいい雰囲気のあるお店なんです。
今日はスペシャルゲストで篠笛とフルートの森田和美さんが数曲参加です。彼女は長野在住。チンさん関係の音楽仲間なんですね。お店に貼ってあった彼女のポスターのイメージも影響しているのだと思いますが純日本的なお巫女さんみたい。とても素敵な女性なんです。
チンさんのアイデアでMusic From The Lakeを篠笛でやってみたんです。皆に聞かせたかったよ。
演奏後の打ち上げの時に彼女が吹いてくれた能の先生からいただいたという木の実で作った笛の音色。森の中でこの笛を吹くと小鳥が集まって来て肩に留まるんですって。とてもスペシャルな夜でした。

15日 長岡 クックテイル久保田
今日から新潟方面の旅です。又々チンさんのドライブで今回は関越道を走って長岡へ。長岡は始めてで、もちろんお店も始めて。東京からも多くのミュージシャンが来ている様ですね。
まだまだ残暑がきびしくて暑い日だった。仕事の前に泊まったホテルの近くで食べたへぎソバがおいしくて翌朝もチンさんと同じ店で出かける前に食事。

16日 新潟 北方文化会館
朝食の後、コーヒーでも飲もうと入った泊まったホテルのレストラン、どうも見覚えがある人が働いているなと思ったら昨夜聞きに来てくれていた若い音楽フアンの人でした。

一路新潟へ。今日は僕にはBig Day! スペシャルな日だった。
北方文化会館の仕事は僕の早稲田中学高校の同級生白井君が仕組んでくれた仕事だったんです。白井君学生の頃はトランペットを吹いていましたが、社会人になってから僕が知っている彼はヤマハで働いていました。結婚して新潟に移住したとの事。7月の頭に東京で開かれた僕達同級生の67会にもわざわざ新潟から来てくれて、その時に彼のアイデアで僕とチンさんの北方文化会館でのデュオを聞きに行くツアーを組む事にしたのです。数名の同級生がその応募に賛同してくれたので、すでにもう今朝から新潟に来て白井君の案内で観光巡りをしているのです。

その今日の会場である北方文化会館がすごい所だったんです。ちゃんと書くと長くなってしまうのでなるべく端折って書きますね。記憶をたどりながら。
そこは江戸時代の豪商の邸宅だったのです。奇跡的に昔の姿そのまま今に残されているのです。
僕達がそこに到着、楽器を車から降ろしたりして一段落してから今のその家の当主伊藤さんが経緯を事細かく説明してくれたんです。
第二次世界大戦の終戦時は7代目の時代でした。終戦時アメリカ軍GHQの方針でその様な地方の豪邸は全て壊されてしまったのです。しかしこの家を壊しに訪れたアメリカ軍の将校がたまたまここの前代7代目の当主がアメリカに留学していた時にペンシルバニア大学を卒業している事を知り自分が彼の後輩である事に気がついたのです。そこから話が一変したわけです。その将校の人は見識もあったのでしょう、この様な昔からの素晴らしい建物は残さなければいけないという彼の意見で壊されずに助かった訳なのです。今僕が住んでいる所がペンシルバニア州という事もあるし、やたら身近に感じた話だったんです。
興味のある方は北方文化会館で検索して調べて下さいね。ここです。)

畳の大広間をステージに、襖を取り払って左右にある庭にはライトショー、お客さんは座ぶとんに座って演奏会が行われたんですよ。前代未聞のコンサートだったね。

泊まった所は敷地内にある昔はゲストハウスだった家を旅館にしたところです。同級生達もみんな同じところに泊まったので食事の後は深夜まで大騒ぎ。本当に夢の様な楽しい時間だったよ。
しかし昔の家なので音は筒抜け。うるさくて眠れなかったって次の日チンさんに文句を言われてしまった。
白井君には大感謝です。ありがとう。皆さんお疲れ様。

17日 柏崎 市民プラザ
起きてから午前中は観光で訪れている人達に交じってもう一度邸宅を見学。邸内にある蕎麦屋で皆で昼食。僕達は柏崎に向けて出発。別れ惜しかったよ。

日本海を右に見ながら海沿いにドライブ。途中で海水浴場みたいな所で休憩。夏の終りの日本海。遠くに見えたのが佐渡ヶ島だったのかな。

僕達が出演したのは柏崎市音市場前夜祭でした。地元の若い人のバンドもたくさん出演ているので楽屋は人でいっぱい。学生時代の文化祭を思い出してしまいました。ジャムセッションでは地元のギタリスト経麻朗さんとも一緒に演奏。打ち上げで連れて行ってもらったイタリアンレストランが最高だった。

18日 上越 高田世界館
この辺りもしばらく前に大地震があったのですね。ホテルの入口の所が地面が陥没して段差が出来てしまっているのです。
今日も日本海を右に見ながら海沿いを上越に向かって下る。途中で何となく見えた海岸に降りて見る。人っ子一人いない砂浜を歩いて大きな岩に手を触れてみる。季節もあるんだろうと思うけど日本海は何か淋しいな。

今日の会場は建ってから100年も経つトタン張りの映画館なんです。昔ソニーロリンズのバンドでヨーロッパツアーをしている時に行ったイタリアの小さな街ペルージアの古い映画館を思い出してしました。そこで演奏したのですがステージが客席の方に向かって傾いているので目をつぶると思わず前に落っこちてしまいそうになってしまうのです。(笑)
ここも古くてかなりな物でしたよ。今日も残暑がきびしくて、もちろんエアコン等無いのでスポットライトが当たると暑いのなんの。
サウンドチェックの後、始まるまでに少し時間があったので暑いし居る所がないので近くのホテルのロビーのソファーで一休み。暇でやる事もないので横を流れている河に沿って海の方に向かって歩いてみる。河には小さな魚がいてそれを取りに来ているのか鳥も沢山いる。そんなのんびりした景色を見ながらトボトボ、午後の陽が暑かったなあ。しばらく歩いてから人に聞いてみると海まではとても歩いて行ける様な距離ではないとの事なので引き返す。

幸いな事に今日の演奏は4時スタートだったので演奏の後6時45分発位の電車に乗る事が出来た。実はここでチンさんとは別れて一人明日の海老原淳子さんの足利でのコンサートに行かなければならない予定になっていました。明日は午前中からサウンドチェックもあるので今晩のうちに何としても行きたかったんです。電車を4回乗り換えて、一回でも間違えるとアウトなので緊張したよ。11時過ぎ無事に桐生に到着。淳子さんにピックアップしてもらいました。今日はきつい日だったな〜。

19日 足利市民プラザホール
今日は淳子さんの25周年を記念するリサイタルの日です。
彼女に偶然の事から出会ったのがもう6年前。電話で話しただけでニューヨークに来るまで顔も見た事もなかった。スタジオの入口のドアーのところにはにかみ気味に立っていた彼女に初めて会った時の印象を今でも良く覚えているよ。旅の疲れなんてこれっぽっちも無くピアノを弾きながら歌いまくっているエネルギーいっぱいの彼女を見てMark Soskinが little Dynamite ! だって。
レコーディングにつきあって、そんな彼女の音楽にすっかり惚れこんで結局は僕のレーベルのアーティストにもなる。僕とは音楽の分野が少し違うんだけど、それが面白くてとても刺激になるし、一緒に演奏する様にもなる。僕はスペシャルな彼女の才能をすごくかっているんです。

今回は彼女自身でコンサートの企画から全てをプロデュース、それだけでも大変なのに3月に予定していた日にちを東北震災のために変更しなければらなかったし、今日が来るまでが本当に大変だったんですね。東京からはもちろん、遠くは大阪からもファンの人達が来てくれて、800人キャパの会場を一杯にしてコンサートは大盛況。最後にアンコールに応えて一人でピアノを弾いて歌っている彼女の後ろ姿を舞台の袖で見ていて気持ちがこみ上げて来て胸がいっぱいになってしまった。本当に良くがんばったね。いいコンサートだったよ。本当にお疲れ様でした。

21日 静岡 ローズティーファニー
朝からニュースで台風が午後には浜松上陸を伝えているので今日の仕事は当然キャンセルになると思ってチンさんに電話。でもまだわからないと言うので一様笹塚のチンさんの家へ。お店の方がどうしてもと言っているのでこちらも好意を見せるという意味で行けるところまで行こうとチンさんのドライブで出発。最初は平穏だったのですが高速を進むうちにだんだん天候が悪くなって来て、思っていた様に東名の由比ヶ浜が閉鎖されてしまったのでその手前で東名を降ろされて風とどしゃ降り雨の国道1号線を進む。お腹も空いてきたのでマクドナルドのドライブスルーでハンバーガーとコーヒー。ますますひどくなって来て、ノロノロ走っていたのが気がついたら完全に止まってしまう。二車線の国道、左側は怒涛の波が打ち寄せる海、前後はトラックでもう全然身動き出来なくて最悪の状態。実にそこでそれから3時間立ち往生してしまったんです。いろんな物が飛んで来るし、風があまりにも強くて車が揺れに揺れてひっくり返りそう。こんな経験は始めて。台風の目が通過して行ったんですね。二人で努めてリラックスする様にしていたけれど, ジャズミュージシャン台風に巻き込まれてお亡くなり(笑) なんてニュースが一瞬頭をかすめる。そのすごい状態がやっと収まって来てゆっくり動き出す。トラックが100m程先でひっくり返っていました。僕達が止まっていたのは由比ヶ浜だったんですよ。

朝11時に東京を出発、お店に着いたのが音出し時間の7時半。もうヘロヘロで演奏どころではなかったんですけれど、お客さんも来ているし軽く食事して早速演奏したんですよ。プロ魂! 発揮。 今日はゲストに歌手のマリテス(Maritess)が数曲参加。もちろんリハーサルする時間なんて全く無かったのでぶっつけ本番。でも何とか楽しく2ステージ演りました。
ホテルにチェックインする時に気が付いたのですがチンさんの車の屋根に付いていた荷物留めのレールがふっ飛んで無くなっていました。

22日 名古屋 スターアイズ
東名を一路名古屋へ。いい天気で昨日の台風が嘘の様。チンさんもガックリ疲れたので今日は途中から僕が運転。僕は左車線の運転にも慣れて来たのでドライブが楽しくて楽しくて。
スターアイズは名前は前から知っていたのですが行って演奏したのは始めて。東京からもいろいろなミュージシャンが来て演奏しているんですね。プロデューサーの伊藤潔が地元なので来てくれる。昨日の台風の話で盛り上がるけれど経験した僕達以外はあの凄かったやばい状態は理解出来ないね。静かな夜だった。

23日 常滑 ジャズスポット@スマイル
今日も僕の運転で出発。常滑にはあっという間に到着。今日の演奏会場はセラミック会社の工場の一画にあります。Bass Talkのメンバーも東京から到着して皆和気あいあいでいい感じ。今日も天気が良くて気持ち良い日なのでサウンドチェックの後散歩に出かける。とこなめ焼等伝統のある街なので観光気分。まず近くにある丘の上の神社へ。急勾配の長い石の階段を登って行ってみる。人っ子一人いない。
丘を降りて細い街並みの路を歩いて行く。途中小さな野菜屋さんでこのシーズン始めての柿を見つける。柿を食べながら川沿いに歩いて行くと海に出る。遠くに飛行機が離着陸している空港が見える。堤防の上に登って横になって目をつぶる。温かい秋の陽と潮風。釣りをする人、走り回る子供達。平和だった。

久しぶりのバンドでの演奏はエキサイティングで楽しかった。Bass Talkは本当にいいバンドですね。
演奏の後は明日の仕事場である岡崎のホテルまでドライブ。

24日 岡崎 YAHAGI JAZZ NIGHT やはぎかん
今日もBass Talkと一緒です。スタッフの方々には7月の名古屋ラブリーの時にすでに会っていて、その時からこのコンサートに向けて熱が入っているんだなと感じていました。

内田先生が来てくれました。このところ体調を崩して歩く事も大変なのに顔を出してくれたんです。お住いが岡崎なんです。嬉しかったな〜。何せ僕達には長い歴史がありますからね。昔話をしていると先生の身体にエネルギーがみなぎって来てお顔が若々しく見えました。先生いつまでもお元気でいらして下さいね。お祈りしています。

他に地元のバンドも出演、Bass Talkと女学生のコーラスグループとの合奏も美しくて感動! 素晴らしいコンサートだった。

コンサートの後は恒例の(僕は始めてですけど)主催者杉浦さんの御宅での打ち上げパーティーです。信じられないほどいっぱいの食べ物、温かい人々、心からのもてなしに終いにはジャムセッション、夜もふけるのも忘れて楽しませてもらいました。最後にお庭でみんなで記念撮影。又忘れられない思い出の夜になりました。
矢作の皆さんありがとうございました。

25日 彦根 Slow
今日からはチンさんと別行動です。僕は岡崎から電車を乗り換えて彦根へ。途中で乗り換えの電車に楽器と荷物を入れてからお弁当を買っていたら電車が行ってしまったので大あわて。すぐに駅員さんに伝えて次の駅でピックアップしてもらえたのでセーフ。(汗)

今日と明日は又蒼樹れい子さんとの仕事です。彦根は数年前にギターの岡安君の仕事で呼んでもらった所で今回泊まったホテルも同じ所でした。メンバーは角田ひろしさんピアノ、荒玉哲郎さんベース。二人とも京都在住のミュージシャンで一緒に演奏するのは始めてです。角田さんの繊細にデリケイトにきれいなタッチできっちりと弾くピアノはとても好感を持ちました。荒玉さんのベースもパワーフルでスピード感があって僕が好きなタイプです。実は数年前に蔵王のジャズフェスに出演した時に彼が他のバンドで演っていたのを憶えていました。
れい子さん新曲も交えてもっと楽しんで歌えている感じ。僕も曲に慣れて来たのでもっと演奏を楽しむ事が出来ました。
角田さんが今日と明日の仕事のためにギターアンプを京都から調達して持って来てくれたんです。大感謝!

26日 京都 Le Club Jazz
荒玉君の車でれい子さんと三人、京都へ移動です。琵琶湖の東岸沿いにドライブ。いつか此の辺でゆっくりしたいなと思ってしまう様な景色の中を次々通り越して行く。荒玉君、その時話していたマラソン大会に出場したのかな?

今日チェックインしたホテルはいつもとは全然違う場所なので同じ京都でも印象が全く違います。時間があるので又祇園に行って見ました。例の京阪四条駅え降りるエレベーターを偶然見つけたり、ちょうど行われていた時代行列を見たり、花見小路通で前からいつか入ってみようと思っていた甘い物を出すお店にも行ってみたり祇園散歩を楽しんできました。

Le Club Jazzは始めてのお店。今日は昨日のバンドに藤井美智さん(Tp), 東敏之さん(Dr)が参加です。藤井美智さんは京都在住のピアニスト藤井貞泰さんの娘さんなんです。最近は女性のミュージシャンも優れた人が沢山出て来ましたが彼女も正にその一人ですね。
演奏が終ってアンコールの頃に藤井貞泰さんが来て下さったんです。今夜は来ないかな〜と実は期待していたので嬉しかった。早速一緒に演奏して頂きました。
その昔サダオさんがアメリカから帰って来て最初に開いた寺子屋みたいなミュージッククラスに彼も来ていたのですね。その頃からの知り合いですから40年以上になるんです。本当に久しぶりでした。とてもお若くてお元気そうだったので嬉しかった。藤井さんは自分の演奏以外にも多くのミュージシャン達が使っている音楽理論の本等も出版されていて教育の方面でも活躍されています。
その夜彼から頂いたLe Club Jazzでのライブアルバム 蘆花が愛聴盤になっています。同じく京都在住のギターリスト寺井豊さんとのデュオです。僕は失礼ながら寺井さんの事は全く知りませんでした。きっと関西では知る人ぞ知るミュージシャンなのですね。日本も本当にミュージシャンの層が厚いと思います。

れい子さん、関西のミュージシャンと一緒にやる機会を作ってくれて、ありがとうございました。

27日 六本木 サテンドール
富士山を見ながら新幹線で帰って来る。今日は歌手の安ますみさんの仕事。一度新井薬師に帰り着替えてからヤッさんにピックアップしてもらって六本木へ。一緒にやるのは久しぶり。前回はBill Maysが来ている時に市ヶ谷の教会でのコンサートだった。彼女もスペシャルな人間なんですよ。

サテンドールは僕は始めて出演のお店、彼女のファンが沢山集まってお店は満杯。一緒にやるのが始めての人ばかりのこの日のバンドもエネルギーいっぱいで楽しかった。
仕事が終ってからヤッさんが動けなくなってしまって、今日は始まる前から体調が悪かったんです。彼女の高価なBMWを僕が運転するはめに。傷をつけてしまっては大変なので冷汗をかきながら彼女の家まで。家が近くなんです。お疲れ様〜 to me.

29日 横浜 Jazz Is
今回は二度目のJazz Is。今井さんの店も開店して10年になるんですね、時間が経つのが早い。
休憩時間に近くのお店バーバーバーを覗いたら中村誠一君のバンドが出演していました。娘さんのさりちゃんがボーカルで一緒。

30日 新江ノ島水族館
今日はダンモ研同級生のサッちゃんが作ってくれた仕事。湘南Jazzを楽しむ会をやっていて、機会がある毎にいつもこの辺りで仕事を作ってくれるんです。持つべきは友、ありがたい事です。
大きな水槽の前にステージをセットして食事の後にそこで演奏したのですが、演奏しながら後ろを振り向くとブルーの背景の中に大きなエイが羽を広げて泳いでいたり、夢の中の様な不思議な世界だったんです。東京からわざわざ出かけて来てくれた人達や顔なじみの人達もたくさん来てくれて、本当に感謝。
サッちゃん、ありがとう。
新江ノ島水族館にて
新江ノ島水族館 (Photo by Sachiko Taka)

それでは又、

10月19日 2012年

MASUO

10月12日

10-12,2012

おはようございます。今日は僕の66才の誕生日。皆さん、誕生日のノートありがとう、僕の心にちゃんと届いていますよ。
一年前の今日はチンさんと仙台でした。キムタクさん、いろいろありがとうございました。
いつもだと誕生日の日には近くのお気に入りの眺めの良い丘の上に行くのですが、あいにく今日から3日間シャーリーが近くの町Milfordで行われるBlack Bear Film Festivalで忙しいので今日は行けません。

こちらはすっかり秋。紅葉の真っ最中です。
もう寒くなって来ているので数日前から暖炉を使い始めているんですよ。
今朝は曇り空だけど時々雲の間から陽がさしてとっても静かで平和です。

昨日は近くに住む友達のBill Maysがカリフォルニアから帰って来たので久しぶりに会って来ました。
話もいっぱいしたし演奏もしたり、美しい秋の午後、楽しかった。
彼が新しいステレオシステムに買い変えたのでいろんなCDやDVDで試聴会も。中でもClaudio Abbadoというイタリア人の指揮者が指揮するLucerne Festival Orchestraのマーラー、シンフォニーナンバー6、第4楽章がすごかった。音楽でこんな表現が出来るなんてつくづく人間の持つそこしれない能力に圧倒されてしまいました。
夕食の後に何気なくジェームススチュアート主演の昔の映画The Flight Of The Phoenixを見ていたら、その中でほんの一瞬ラジオから女性の歌声が聞こえて来るシーンがあるのです。その歌声が何とも心に引っかかって、終ってからGoogleで調べてみたんです。コニー・フランシスだったんですよ。曲名はSenza Fine(センザ フィネ)。イタリアンで歌っているんです。曲自体はウエスモンゴメリーの演奏で聞いた事がありました。彼女の歌声は本当にスペシャルですね。聴いていると、このところ忘れていたいろんな感情や気持が次々と湧き出て来て心が幸福感でいっぱいに満たされてしまいました。音楽って本当に不思議ですね。やっぱり音楽って人間がやる多くの事の中でも最高に素晴しくて美しい物の一つだな~ っと僕は思っています。

それでは又、

MASUO
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